アメリカのヒューマンドラマ。
ホールドオーバーズ=「残留者」、冬休み期間を学校に取り残された嫌われ者同士3人がいがみ合いながらも絆を深めていく物語が心温まります。
あらすじ
1970年冬、ボストン近郊。全寮制の名門バートン校の生徒や教師たちは、誰もが家族の待つ家に帰り、クリスマスと新年を過ごす。しかし、留まらざるを得ない者もいた。生真面目で融通が利かず、生徒からも教師仲間からも嫌われている古代史の教師ハナム。勉強はできるが反抗的で家族に難ありの生徒アンガス。ベトナム戦争でひとり息子カーティスを失ったばかりの料理長メアリー。雪に閉ざされた学校で、反発し合いながらも、孤独な彼らの魂は寄り添い合ってゆく
Filmarks
作品概要
- 公開日: 2024年6月21日
- 制作国: アメリカ
- 上映時間: 133分
- 監督:アレクサンダー・ペイン
- 脚本:デヴィッド・ヘミングソン
- 配給: ビターズ・エンド
- キャスト
ハナム:ポール・ジアマッティ
メアリー:ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ
タリー:ドミニク・セッサ
どんな映画?
心温まる泣けるヒューマンドラマでした。
生きづらさが伝わってきて、それでも前に進もうとしてる様が描かれます。
主要の登場人物3人がそれぞれ何かを抱えていて、人とのかかわりを避けて生きています。
隠したいことがあるから、共通しているのは、孤独だということ。
その3人が冬休み期間の2週間を一緒に過ごす。
いがみ合いながらも相手を理解して絆を深めていく過程がよかったです。
2週間を学校から始まり、社会授業ということでボストンに出かける様が描かれます。
シナリオ、演技、情景、音楽が相まって心に染みる映画でした。
3人とも演技がすばらしかったです。
個人的にはアカデミー賞で助演女優賞を取ってるダヴァイン・ジョイ・ランドルフの存在がよかったです。
息子を失った喪失感とそれでも強く生きる演技がよかった。
学校パートでの暖かい雰囲気を出した功労者だと思います。
ポール・ジアマッティもアカデミー賞取ってもよかったんじゃないかと思う…
情景がすばらしかった。
1970年代が舞台で街並み、車、設備、古くささを感じる、そのふるくささがきれいに思えました。
撮影のロケ地はマサチューセッツ州でグロトン・スクールやディアフィールド・アカデミーなどが使われています。
ドミニク・セッサは映画初出演で、撮影時はディアフィールドに通っていたそうです。
音楽もよかった。映画を表現するのにぴったりの音楽でした。
まとめ
時期が年末なのがよかった、クリスマスがあって、年越しがあって、楽しいはずなのに帰る場所がない、だからこそ残されたもので過ごそうとなれるクリスマスはすばらしいです。
余計なことは考えなくて済むし、いろんな思いがはせる
幸せな人、そうじゃない人がいるけど、クリスマスだけは人のためにやさしくなれる。
その雰囲気が好きだった。
美術館、古本市、ボウリング、映画、ボストンをめぐる雰囲気も好きでしたね。
映画としては世の中は複雑で生きづらい。けど過去が人生の方向を決めたりしないし、人生を変えるのに過去は関係ないとグッとくるメッセージもよかった。
年末にまた観ようと思う。