韓国の年間最長No.1記録を樹立、2023年の韓国国内映画賞で25冠を受賞したサスペンス・スリラー作品です。
実際に残された朝鮮王朝時代の昭顕世子(ソヒョンセジャ)の急死の謎に迫った作品となっています。ソヒョン世子の死に纏わる謎は、朝鮮王朝実録に記述された次の文章が基となっています
朝鮮に戻った王の子は、ほどなくして病にかかり、命を落とした。 彼の全身は黒く変色し、目や耳、鼻や口など 七つの穴から鮮血を流し、さながら薬物中毒死のようであった。 ― 朝鮮王朝実録 ―
ソヒョン世子は、清での暮らしで新しい文化を祖国・朝鮮にも持ち込みたいと考えていましたが、彼は朝鮮に戻って謎の薬物中毒のような症状で亡くなります。
その後、彼の家族も流刑や死罪に処されたことから、仁祖がソヒョン世子を毒殺したのではないかと噂されています。
作品概要
- 公開日: 2024年2月9日
- 制作国: 韓国
- 上映時間: 118分
- ジャンル: サスペンス・スリラー
- 監督:アン・テジン
- 配給: ショウゲート
- キャスト
リュ・ジュンヨル(ギョンス)
ユ・ヘジン(仁祖)
キム・ソンチョル(昭顕世子)
パク・ミョンフン
アン・ウンジン
チョ・ユンソ
チョン・ソグォン
あらすじ
盲目の鍼術師が朝鮮王朝時代の昭顕世子(ソヒョン世子)の死を目撃した後、真実を明らかにしようと繰り広げる一晩の死闘を描いています。
感想
朝鮮王朝時代の史実をうまく脚色した映画でした!
主人公が盲目という設定に対して、他の感覚が優れてる、までは読めたけど「それ」は読めなかったわと思わされました。
リュ・ジュンヨルさんの演技がすばらしくて完全に盲目にしか見えない演技してましたね。
病気の弟に少しでもいい生活をさせるため、宮廷で働いて頑張る兄という韓国らしい設定にもうまく感情移入させられました。
約120分間ずっと見入ってました。
無駄なシーンがないです。
時間軸が一本で、回想とか複雑な展開がないのでストレスなく観れます。
さらに物語が大きく動いてからは緊迫感が続いて最後まで目が離せませんでした。
ストーリーは朝鮮王朝時代を舞台に王室内の陰謀や官僚たちの権力争いが、ストーリーの中心にありました。
ありきたりな内容ではありましたが、当時の文化がリアルに再現されている印象です。
セットの王宮や街並みも細部にこだわっていて映画の世界観に没入させられました。
鍼治療のシーンが多く出てきます。
経験したことないのでわからないですが、鍼治療はそんなにすぐ効果が出るもなのかと疑問に思いましたね。
うまく動かせなかった足を動かせたり、神経を麻痺させたりと…
ここは映画だからというのもあると思いますが、画としては衝撃でした。
当時は鍼治療を一般的に利用していたみたいです。
特に舎岩道人の治療法は評価されて、彼の名声は現代の韓国でも鍼治療に影響を与えているそうです。
まとめ
盲目の主人公が事件を解決するという設定は、他の歴史ミステリー映画でも観たことがなくて新鮮でした。
主人公の設定によって物語に没入させられますし、サスペンス要素を引き立てています。
映画全体に緊張感があり、感情的に引き込まれました。
緊張感があるけどストレスがないです。
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