うさぎです。
「戦慄怪奇ワールド コワすぎ!」の感想記事です。
白石晃士監督が手掛けたこの作品は、2012年から続く『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズの新作であり、8年ぶりの復活となりました。
本作の特徴として、フェイクドキュメンタリー形式での撮影やPOV(ポイント・オブ・ビュー)形式となっており、臨場感を与える工夫がされています。
また、ホラー要素だけでなく、コメディやドラマ的な要素も取り入れられており、シリーズファンだけでなく新規視聴者も楽しめる内容となっています。
基本情報
- ジャンル:ホラー
- 上映時間:78分
- 監督・脚本:白石晃士
- 配給:アルバトロス・フィルム
キャスト
- 大迫茂生(工藤仁役)
- 久保山智夏(市川実穂役)
- 白石晃士(田代正嗣役)
- 福永朱梨(呉見遥役)
- 小倉綾乃(大倉絢音役)
- 梁瀬泰希(柳井大輝役)
- 南條琴美(赤い女/北条琴子役)
- 木村圭作(鬼村伊三役)
あらすじ
心霊スポットとされる廃墟で撮影された映像に現れた「赤い女」の謎を追う取材チームの様子を描いています。プロデューサーの工藤仁(大迫茂生)、ディレクターの市川実穂(久保山智夏)、カメラマンの田代正嗣(白石晃士)が再集結し、霊能者の鬼村伊三(木村圭作)と共に廃墟へ向かいます。
ロケ地
茨城県水戸市にある旧芦山浄水場です。
この場所は、映画「カメラを止めるな!」のロケ地としても知られています。
このロケ地選定について「カメ止めで使っていたのは知っていたが、制作の都合と見栄えが一番良いものを選んだ」と述べており、意図的に同じ場所を選んだわけではないとしています。
感想
今作は、最初のオカルト的な展開から、まさに予測不能なぶっ飛んだ方向へと進んでいきます。
初めて観ましたがおもしろいです。
今年観た映画の中でも「サユリ」はインパクトを残した作品でしたが、たまたま目に入ったこの作品をクリックしたら、監督が同じだったんですね。
「あ、これ面白いかも」と思って観てみたら、これがまたハマるんですよ。
映画の始まり方が独特で、まるでテレビで放送されるようなオカルトドキュメンタリーのようなんです。
あの不気味な空気から、どんどん恐怖の対象を掘り下げていく展開が今じゃ見れない昔のテレビみたいでした。
少しインチキっぽさもあるんですが、その中で好奇心がどんどん刺激されていく感じがたまらない。
そして、キャラクターたちが本当に面白いんです。
特に、大迫茂生さんが演じる工藤仁。
キャラクターがまた絶妙で、短気で粗暴な性格なのに、いざ恐怖に直面するとビビるんですよ。
そのギャップが魅力的で、思わず笑っちゃいます。
工藤、まさに「やばいやつ」そのもの。
低予算感は否めないけど、それを逆手に取ったぶっ飛んだシナリオが最高でした。
途中からは、映画制作を楽しんでいる人たちの姿が見えてきて、それがまた観ている側にも伝わってきて、客観的に見てもなんだか楽しさを感じてしまったんです。
最終作ということで、次に期待するのは少し難しそうだけど、それでも過去作もぜひ観てみたいですね。
赤い女
「赤い女」の話に入ると、序盤は廃墟で出現する赤い女を追いかける物語。
物理法則を無視して襲いかかる不気味な演出に最初はゾクっとしましたね。
だけど中盤から予想外の展開になって、おそらくこのシリーズだからこそ、あり得るようなシナリオにどんどん引きこまれました。
一緒にいる感覚がする POV形式
監督自身がカメラマン役として出演していて、そのカメラから見える映像だけで物語が進んでいくというドキュメンタリー風のアプローチが新鮮でした。
凝ったカットやシーンがないからこそ、現場で起きていることをすべてリアルに感じることができて、演者との一体感が生まれるんです。これがすごく良かった!
そして、得体の知れないキャラクターが出てきて、まさに「なんだこれ?」という感覚に包まれました。
登場してからは映画が一気にぶっ飛んだシナリオへと突入していき、まさに映画だからこそ実現できる展開に唖然。
あれ?今、一体何を観てるんだって思います。
最後はひたすら走り続けるシーンが続いていき…、もうその時点で、この映画の魅力に完全に引き込まれていました。
まとめ
時代背景がコロナ後で、職を失って、動画投稿で稼ぐという現代ならではの生活が描かれているのが実際いそうで親近感があったし、それだけじゃなくて、性暴力問題といった現代社会が抱える問題もちゃんと織り込まれていて、単なるエンターテイメントにとどまらず、意外と強いメッセージ性を持った作品でした。
観る人によっては、映画を通じて考えさせられる部分も多いんじゃないかなと思います。
笑えておもしろかったんですけど、最初に観たのが最終作で残念…