日本では2024年10月18日に公開。
既に第74回ベルリン国際映画祭に出品され、第60回百想芸術大賞では4冠を受賞しています。
ストーリーは、奇妙な病気に悩む家族から依頼を受けた巫堂とその弟子が、先祖の墓に隠された秘密を解き明かすというもの。
監督はチャン・ジェヒョンで、韓国で大ヒットを記録しました。
キャスト
- 巫堂ファリム: キム・ゴウン
- 弟子ボンギル: イ・ドヒョン
- 風水師サンドク: チェ・ミンシク
- 葬儀師ヨングン: ユ・ヘジン
映画の雰囲気と感想
全体的に映画の雰囲気は怖さよりも気味の悪さ。
墓を掘り返すという演出に気味悪さがありましたが、怖い要素は控えめです。正直怖くない。
なにが起こるかわからない不安感も物語が進むにつれて薄れていきます。
ストーリーはテンポ良く進んで、一見それで解決?と思う部分がありますが「なるほど」と思わせる展開となっていて、次の展開を期待してしまう工夫がされていました。
ただ、観終わった後、「もう終わり?」という感覚が強かったです。
肝心の墓の秘密に関しては、人によって賛否あるかと思いますが、自分はダメでした。
世界感を一つにしたほうがよかった印象。
恐怖の演出に関しては物足りなさを感じる瞬間が多くて、むしろ意外性のある展開に驚くことが多かったです。
墓の描写
たとえば、映画のタイトルに「墓」が含まれているにもかかわらず、肝心の墓の描写がすごい質素なのは驚かされました。
この質素さが逆に不気味さを生んでいて、このあとになにが起こるの?と思えるシーンは印象的でした。
驚愕と同時におもしろいとワクワク。
お祓いシーンは複雑な感情
その他に、巫女についての知識がない僕にとって、お祓いシーンは複雑な感情で観てました。
よくわからない動きをとにかく激しく踊ってて、見てるとどう捉えればいいのかわからない感情になります。
調べたところ、巫女(ムーダン)の儀式は、伝統的なシャーマニズムの重要な一部であり、神霊と交信するために激しい踊りを行うそうです。
この儀式は12時間以上続くこともあって、病気の治癒や悪霊の追放、先祖供養を目的とするそうです。
いい意味で一番オカルトなシーン。
謎の生き物
それから、顔が人間で体が蛇という奇妙な生き物が登場します。
これもまた気味が悪かった。
作中では詳しい説明がないですが、日本の伝説や神話にも同様のキャラクターが登場します。
例えば、新潟県の伝承では、人間の顔を持つ蛇の娘の話があったり、地域の信仰や文化に深く根付いているそうです。
再生や変化を表していて、神秘の生き物として扱われています。
作中で一番怖かったのがこの謎の生き物の悲鳴。
まとめ
巫女や蛇の生き物といった文化的要素が盛り込まれていて、歴史的文化を理解しているとより楽しめる印象。
映像は全体的に薄暗く、オカルト的な気味悪さがありながらも比較的観やすく、物足りなさを感じる場面が多かったです。
キャラクターもそれぞれに個性があって、よかった。
ただ一言…恐怖の演出はもう少しほしかった。
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