タクシードライバー 気持ち悪い?不気味? 映画感想

映画感想

1976年に公開されたアメリカのアクション映画。
マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演の作品です。
ニューヨーク市の暗い側面を描き、犯罪と道徳の曖昧さをテーマにたサスペンス映画となっています。
アカデミー賞で作品賞を含む4部門を受賞しました。

トラビスがどんな人間で何をしたのか、個人的解釈を交えてまとめました。

トラビスはどんな人間?

ベトナム戦争から帰った兵士の心の傷や、1970年代のアメリカの社会の問題を表すキャラクターです。

彼はベトナム戦争の帰還兵で、孤独や疎外感を抱えながら夜の街でタクシーを運転しています。
不眠症と孤独に悩まされ、運転中に社会の腐敗や犯罪に対する苛立ちが募ります。
孤独感と社会への不満は次第に強くなり、心の闇が深まっていく様子が描かれています。

正義感や怒りに揺れながら、次第に暴力的な方向に向かっていく姿が印象的でした。

正義なのか狂気なのか

トラビスは、ベッツィという女性に強い興味を抱き、彼女と接触しようとするが、そのアプローチは最終的に失敗に終わります。
この経験が精神状態をさらに悪化させて、政治家チャールズ・パランタインを暗殺しようと計画します。
率直に気持ち悪さが滲み出ていて、トラビスのベッツィへの執着は、まるで異常な執着に見えて、アプローチが失敗に終わると、ますます彼の精神状態が崩れていく様子は不気味でした。

暗殺を計画する思考は狂気。

一方で、トラビスはアイリスという若い売春婦とも出会い、彼女を救い出すことを決意します。
彼は彼女のポン引きであるスポーツに対して暴力を振るい、アイリスを救い出す。
トラビスの行動は、一種のヒーローとして報じる結果となりますが、内面の葛藤と精神的な不安定さは解決されないまま終わります。
アイリスを「救い出す」という行動にしても、彼自身の歪んだヒーロー願望が見え隠れしますが、その行動が結果的に彼をヒーローとして報じられるのは、ある意味で皮肉で魅力的でした。

ロバート・デニーロ

ロバート・デニーロは、トラビスの複雑な心情を見事に演じており、トラビスが普通の生活を望む一方で、繰り返される日常や社会の醜さに疲れている。その演技力は際立っていました。

ロバート・デ・ニーロの演技は圧巻で、「You talkin’ to me?」のセリフは映画史に残る名シーンとなりました。

鏡の前で銃を構えるシーン、ダサさと狂気が入り混じって、良くも悪くも絶妙な演技です。

他のキャラクターにはない独特のカッコよさを生んでいるように感じて、一種のかっこよさを感じました。

また、13歳のジョディ・フォスターも登場します。本当に可愛らしい

映画の音楽はバーナード・ハーマンの作曲で、高く評価されており、緊張感や不安を見事に表現しています。

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