憐れみの3章 原作は?グロい? ネタバレあり映画感想

映画感想

ヨルゴス・ランティモス監督の最新作。
主要キャストのエマ・ストーンと監督ヨルゴス・ランティモスは「女王陛下のお気に入り」「哀れなるものたち」でもタッグを組んでおり、「女王陛下のお気に入り」では共同で脚本を手掛けたエフティミス・フィリップともコラボしています。
特定の原作はありません。この作品は、監督のヨルゴス・ランティモスとエフティミス・フィリップが共同で脚本を手掛けたオリジナル映画となります。
過激な表現があります。
第77回カンヌ国際映画祭でジェシー・プレモンスが男優賞を受賞。

あらすじ

自分の人生を取り戻そうと格闘する、選択肢を奪われた男、海難事故で失踪した妻が、帰還後別人になっていた夫、卓越した宗教指導者になるべく運命付けられた特別な人物を懸命に探す女……という3つの奇想天外な物語。

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作品概要

  • 公開日: 2024年9月27日
  • 制作国: アイルランド、イギリス
  • 上映時間: 164分
  • 年齢制限: R15+
  • ジャンル: ドラマ
  • 監督:ヨルゴス・ランティモス
  • 脚本: エフティミス・フィリップ、ヨルゴス・ランティモス
  • 配給: ウォルト・ディズニー・ジャパン
  • キャスト
    エマ・ストーン
    ジェシー・プレモンス
    ウィレム・デフォー
    マーガレット・クアリー
    ホン・チャウ

各話のあらすじ

R.M.F.とは?

全話通じて登場する男。

映画の冒頭で白シャツに「RMF」の刺繍が入った男が登場します。
この男は各話でタイトルの通り、「死」「飛ぶ」「サンドイッチを食べる」の様子が映し出されますが、物語に直接なつながりはありません。

第1章: R.M.F.の死

同じキャストで「愛と支配」をテーマにした奇妙な物語を三部に分けて構成されている映画となります。
この章では、選択肢を奪われた男の様子を描かれます。
男は生活や行動をすべて上司に指示されていて、自由がありません。
ある日、上司から特定の時間に車を追突するよう指示されますが、男はこれを拒否します。
上司は関係が終わったと告げます。

その後、妻が妊娠しなかったのは上司の指示で流産する薬を飲まされていたことがわかって、妻は家を出て行く。
男は仕事を失い、他の会社からも相手にされなくなります。
新たに出会った女性も上司と関係があると知り、すべてが上司に支配されていることを悟ります。
最終的に、男は病院から「RMF」を連れ出し、車で轢くことに決めます。

この章は拒否感しかなかった。きらいな人間のタイプ
男が自由を奪われて、上司の指示に従う姿はあまりにも滑稽で、観ていて不快でしたね。
特に、妻が妊娠できなかった理由が上司の指示で流産を強要されていたというのは、嫌悪感しかない。

男が最終的に「RMF」を轢く決断をすることも、愚かにしか見えなくて、成長が感じられませんでした。こんな状況に至るまでに変わることができなったのかと、共感する気持ちが湧きませんでした。

第2章: R.M.F.は飛ぶ

この章では、警官の視点から、遭難した妻が発見されて帰ってくる物語を描いています。
発見されて帰ってきた妻はまるで別人のようで、警官はその変化に戸惑います。
彼女は食べてこなかった食べ物を好むようになり、履けていた靴が履けなくなったり、性欲が強くなったりしています。

夫は次第に妻を疎ましく思い、家から追い出そうとします。
妻に無理な要求をして、指や肝臓を食べたいと言いますが、妻はそれに応じます。
最終的に、夫が上の階から降りると、亡くなっている妻を見つけます。

この章は、3話の中で最も没入しました。
愛が強すぎたために壊れてしまった夫と、愛しているからこそ応えようとする妻の物語。
夫がなぜ妻を受け入れられなかったのかは疑問に思いましたが、親しい人が突然変わることによる不安が人を狂わせることもあるかもしれません。

この章が一番エログロの要素が強いです。

第3章: R.M.F.サンドイッチを食べる

この章では、ある人物を探している男女が登場します。
二人は怪しい団体に所属しており、その人物を探すように指示されています。
女性には夫と娘がいますが、別居中です。彼女は夫と娘が出かけた隙に娘のプレゼントを置くなど、子供に対しての愛はある。

ある日、夫から「娘が怪我した」と聞かされて、心配になった彼女は家に帰りますが、そこで夫に睡眠薬を盛られ、自由を奪われてしまいます。このことが団体に知られ、彼女は破門されます。
それでも人物を探し続け、最終的に見つけますが、連れて行く途中で事故に遭ってしまいます。

この章も共感が難しい…

印象に残ったのはエマ・ストーンの運転の荒さラストのダンスです。

主題歌

主題歌はユーリズミックスの「Sweet Dreams (Are Made of This)」です。
この曲は、映画のテーマを象徴するように劇中でもしばしば流れます。

まとめ

正直、あまり共感できなかったし、救われる話でもなかった。ただ、最後までどうなるのか気になり、R15の過激な表現もあって、それが楽しめるかどうかの印象。

ランティモス監督の作品らしく、人間の本質や社会批評がテーマになっていました。
映像は単色で色味がなく、ストーリーも重いテーマが奇妙に展開されます。
現実と幻想の境界が曖昧で、観てる側は不安定な感情に引き込まれます。
全体的に暗く、笑いは少なかったですが、ところどころに笑えるシーンもありました。

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