うさぎです。
ニコラス・ケイジが再び暴走する映画、シンパシー・フォー・ザ・デビルの感想記事です。
ドリーム・シナリオから久々のニコラス・ケイジ。
勝手に考察。ネタバレ含みますのでご注意ください。
作品概要
- 製作国: アメリカ
- 公開日: 2023年7月28日
- 上映時間: 90分
あらすじ
ある夜、病院に向かう途中の男(ジョエル・キナマン)は、突然見知らぬ男(ニコラス・ケイジ)に車に乗れと銃で脅される。見た目は派手で言動も常軌を逸したこの「乗客」は、目的地も明かさず、運転手に指示を出し続ける。次第に明かされていく二人の過去と、車内で繰り広げられる心理戦。その果てに待ち受ける衝撃の真実とは。
キャスト
- ニコラス・ケイジ(謎の男 “The Passenger”)
- ジョエル・キナマン(運転手 “The Driver”)
ニコラス・ケイジ、再び暴走する
「シンパシー・フォー・ザ・デビル」を一言で表現するなら、ニコラス・ケイジの迫力満点パフォーマンスに尽きる。観終わった後は「なんてことない映画だった」と思うかもしれないが、随所に散りばめられた”ニコラス節”が、この作品を忘れられないものにしています。
人は皆、何かを抱えて生きている
この映画が描くのは、誰もが抱える「ストレス」という名の重荷。
人はそれぞれ異なる方法でストレスと向き合っている。うまく解消できる人もいれば、そうでない人もいる。そして、うまく対処できなかった時、人は時として悲惨な状況へと転落していく。
予想もつかない展開の連続
病院へ向かう途中で始まる悪夢
出産間近の妻が待つ病院へ向かう主人公。
駐車場に車を停めた瞬間、見た目が派手な謎の男が突然乗り込んでくる。
男は主人公にカードを選ばせ、彼が選んだのはスペードのエース。
このカードには興味深い歴史があります。
最強のカードである一方で、死や恐怖の象徴とも言われている。
もっとも、知ったところで物語に大きな影響はないとおもいますが…
理不尽な要求と見えない目的
男は主人公を脅し、車を出すよう命じます。
すぐに子供が生まれることを告白して同情を買おうとするも、男は聞く耳を持たない。
目的も理由も見えない中、恐怖だけが増していくスタートとなります。
ニコラス・ケイジの圧倒的存在感
さすがニコラス・ケイジ!その顔力は圧巻!
悪なのか何なのか分からなくなる不気味な魅力。
怒っているのか、ふざけているのか判別不能な表情。
ちょっとしたセリフの言い回しが妙に笑えてしまう。
ニコラス・ケイジの演技だけで最後まで観たくなる、それがこの映画の最大の魅力です。
食堂で明かされる真実
道中で立ち寄った食堂。
そこで男はある出来事について語り始める。
だんだんと理不尽な言動や行動がエスカレートしていき、ついには食堂を炎上させて車で移動することに。
復讐という名の結末
クライマックスで明かされる真実。これは復讐の物語だった。
なぜすぐに殺さなかったのか?その理由は単純だった。
本人の口から聞きたかった、顔が見たかった。
本当の顔を、本性を表した時の表情を見たかったのだ。
男の妻と娘を殺した相手。
そんな男が家族の話をすれば、虫唾が走るのも当然。
自分の家族が同じ目に遭ったらと想像すると、許せない気持ち、ただでは済まさない気持ちは痛いほど理解できる。
ましてや末期がんで後がないと分かったら、行動に移すのは自然な流れかもしれない。
現代人へのメッセージ
結局のところ、すべてはストレスが根源にあるとおもいましたね。
ストレスのない生活を送りたいと誰もが願うが、現実はそう簡単ではない。
この映画は、そんな現代社会に生きる私たちへの静かな警鐘なのかもしれない。
評価:★★★☆☆
ニコラス・ケイジファンなら必見。彼の狂気じみた演技力を堪能したい人にオススメの一作。