うさぎです。
公開後、ファウンド・フッテージスタイルの演出や、1970年代のアメリカのバラエティ番組の再現が非常にリアルであると高く評価され、音楽や音響の使い方やオカルト要素の斬新さが評価される一方で、テレビショー部分が退屈に感じたという意見があるこの映画。
今回は、実際の放送事故を元に作られた映画なのかについて解説していきます。
あらすじ
1970年代のアメリカ、深夜のトークショー番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック・デルロイは、視聴率低下に悩んでいました。番組の人気を回復させるため、オカルトをテーマにした特別企画を生放送で行うことを決定します。その内容は、悪魔に取り憑かれた少女リリーと、彼女を研究する博士との対話を試みるというものでした。しかし、番組が進行するにつれて、予期せぬ恐怖がスタジオ内に広がり、出演者やスタッフは次第に制御を失っていきます。
作品概要
- タイトル: 悪魔と夜ふかし
- 原題: Late Night with the Devil
- 公開日: 2024年10月4日
- 製作国: オーストラリア
- ジャンル: ホラー
- 上映時間: 93分
スタッフ・キャスト
- 監督・脚本: コリン・ケアンズ、キャメロン・ケアンズ
- 出演:
- デヴィッド・ダストマルチャン(ジャック・デルロイ)
- ローラ・ゴードン(ジューン・ロスミッチェル)
- イアン・ブリス(カーマイケル・ヘイグ)
- フェイザル・バジ(クリストゥ)
- イングリッド・トレッリ(リリー)
- リース・アウテーリ(ガス・マコーネル)
元ネタは?
映画「悪魔と夜ふかし(原題: Late Night with the Devil)」の元ネタについては、実際の放送事故が基になっているわけではなく、オリジナルのフィクションの要素を多く含んでいます。
この映画は、1977年10月31日のハロウィンの夜に放送された深夜番組「ナイト・オウルズ」の一回限りのオカルト特集が事故的な状況に発展するという設定を持っていますが、実際にはそのような事件は歴史に存在していません。
この映画は、恐怖映画のジャンルでよく見られる「ファウンド・フッテージ」スタイル(映像が発見されたかのような形で物語が進行する方式)を使用し、視聴者に実際の放送事故を観ているかのような臨場感を与えることを意図しています。
そのため、元ネタに基づく実際の放送事故は存在せず、映画のシナリオとテーマは完全にフィクションです。
この映画が示唆しているものは、1970年代の深夜番組の一部文化やオカルト番組の人気を反映させるものであり、恐怖映画としての視覚的な演出が重視されています。
注目ポイント
映画「悪魔と夜ふかし(Late Night with the Devil)」の見所は、いくつかのポイントがあります。
ファウンド・フッテージスタイルとホラー要素がうまく融合しており、視覚的にも心理的にも引き込む要素がたくさんあります。
ファウンド・フッテージスタイル
映画は、まるで実際のテレビ放送事故を記録したかのように進行します。
このスタイルは、視聴者にリアリティを感じさせ、登場人物たちと一緒に恐怖を体験しているかのような臨場感を作り出します。
カメラがそのまま生放送の様子を捉え続けるため、視覚的にドキドキ感が増します。
オカルトと超常現象の恐怖
作中では霊視、ポルターガイスト、悪魔祓いなど、オカルトや超常現象が次々と描かれます。
1970年代の深夜番組を舞台にした演出が、当時の視聴者にとって本物の恐怖のように感じられるような演出がされています。
視覚的な恐怖が目を引くシーンが多いので、ホラーファンにはたまらない要素です。
視聴者との一体感
「悪魔と夜ふかし」は視覚的にも、物語的にも「視聴者としての立場」で映画を体験させます。
まるで、映画の登場人物がテレビ画面を通して観ている視聴者とともに物語を進めていく感覚が生まれるため、一緒にその恐怖に巻き込まれていくような感覚が味わえます。
登場人物たちの心理的変化
映画が進行する中で、番組の司会者であるジャック・デルロイ(主人公)がどんどん追い詰められていく姿に焦点が当たります。
彼がどのようにして恐怖を感じ、どう行動を変えていくのかが重要な見所です。
視聴者もその心理的変化に引き込まれ、彼と共に恐怖を感じます。
クライマックス
映画のクライマックスでは、番組の中で描かれる恐怖のシーンがどんどんエスカレートし、観客の予想を裏切るような驚きの展開が待っています。
ラストに向けての恐怖がどんどん強くなり、緊張感が高まっていきます。
感想
映画の感想としては、正直なところ、ホラー感は薄かったように感じました。
演出もどこか懐かしい70年代っぽさが強調されており、後半に盛り上がるべきシーンも、少し安っぽく見えてしまったように思います。
それでも、怖さがあるとすれば映像よりも内容に焦点を当てている点が大きかったと感じました。
特に印象に残ったのは、司会者ジャックが視聴率を取るために妻を犠牲にすること。
人間の恐ろしさを感じさせる瞬間で、これこそがこの映画の怖さではないかと思いました。
まさに、強い欲望が引き起こす取り返しのつかない結果を描いているように感じました。
また、カルト集団のリーダーが「欲しいものを手に入れるためには犠牲が必要」というセリフが心に残りました。
このテーマは現代社会にも通じる部分があり、欲望が暴走すると大きな代償を払う羽目になるというメッセージが込められているように感じました。
映画の作りとしては、70年代のアメリカのテレビ番組の雰囲気をよく再現しており、主演のデヴィッド・ダストマルチャンの演技も非常に良かったです。
アメリカらしいジョークや仕草がリアルで、出演者同士の掛け合いにも自然さがありました。
番組の舞台裏を描くシーンも興味深かったです。
CM中の出演者とプロデューサーとの会話がリアルで、普段は見ることのできない部分を描くことで、より没入感が増していました。
物語の進行はスピーディーで、カルト集団の登場やインチキ除霊師の描写、そして悪魔に憑依された少女の活躍などが、ノンストップで進んでいきました。
後半は、少女が出演者を次々と抹殺していくシーンで、話が一気に盛り上がります。
最後に、インチキ除霊師がパフォーマンスの最中に黒い嘔吐物を吐き出し、病院で死亡するという展開には驚かされましたが、それもまた映画の皮肉的な要素がよく出ていて面白かったです。
全体として、ホラー要素はあまり強くなかったものの、人間の恐ろしさや社会的なメッセージが込められた作品だと感じた。
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