「あのコはだぁれ」エンディングの意味 ネタバレ映画感想

映画感想

うさぎです。

「ミンナのウタ」の続編、「あのコはだぁれ?」の感想記事です。

呪いのメロディーを歌う「さな」ちゃん。

今度は学校を舞台に歌います。

今回はエンディングの意味について解説します。

「あのコはだぁれ?」は、清水崇監督の前作「ミンナのウタ」と世界観を共有しています。
前作で描かれた高谷家の悲劇や、さなの異常な行動が本作でも重要な要素として取り上げられています。
さなが「皆の音」を集めるという執着は、前作から引き継がれたテーマであり、彼女の行動原理を理解する上で欠かせない要素です。

また、前作で登場した探偵・権田継俊(マキタスポーツ)も本作に登場し、物語の鍵を握る存在として描かれているので、そのため前作を観てから見ることをおすすめします。

物語のクライマックス

主人公・君島ほのか(渋谷凪咲)が挑むのは、補習クラスの生徒・三浦瞳(早瀬憩)に取り憑いた霊の正体――高谷さな(穂紫朋子)。

瞳を救うために向かった高谷家。しかし、そこで待ち受けていたのは想像を超える強い怨念。
さなを成仏させようとするほのかでしたが、霊の力は凄まじく、彼女と瞳は“ある場所”へと引きずり込まれてしまいます。

そこは32年前の悲劇が起こった場所。
糸井茂美が転落死した、あの学校の屋上…
さなのトラウマが渦巻くその場所で、ほのかは命の危機にさらされます。

しかし、奇跡が起こります。
意識不明だった恋人・悠馬(染谷将太)、そして瞳の母・詩織(小原正子)が、まさかの形でほのかを救うことに。
詩織は若かりし頃の姿で現れ、さなの怨念を鎮める決定的な存在となります。

エンディングの解釈

ほのかは、屋上から落下してしまいます。しかし、驚くべきことに、その死が他の犠牲者たちを蘇らせることにつながるのです。
彼女の自己犠牲は、まさにこの物語のテーマそのもの。
自らを犠牲にすることで、大切な人たちを救う。その選択が、すべてを変えていきます。

そして、さなの怨念が解消されたことで、彼女に囚われていた人々もついに解放され、世界は平穏を取り戻していきます。

しかし、それだけでは終わりません。
詩織は、さなの怨念を鎮めるために自らの命を捧げます。母
としての責任と愛情、そのすべてをかけた選択が、最後に娘を救う力となるのです。

母と娘の深い絆。
親が子供に与える影響の大きさ。
それが、この物語のもう一つの大きなテーマとして浮かび上がってきます。

ほのかの自己犠牲で他者を救う

君島ほのかが、高谷さなの霊と対峙。
そして彼女が選んだのは、 自らの命を犠牲にする という決断でした。

この自己犠牲によって、さなの呪いから解放された多くの人々が蘇生。
まるで長く閉ざされていた呪縛が、一気に解き放たれるかのような瞬間です。

この展開が示すのは、 “一人の犠牲が、多くの命を救う” というテーマ。
それは単なる犠牲ではなく、過去に囚われた怨念を断ち切り、新たな未来へとつなげるための決断とも言えるでしょう。

母親の愛と責任

物語の終盤登場するのが、瞳の母・詩織。
さなの怨念を鎮めるため、自らの命を捧げる という選択をします。

この行動が示すのは、母親としての 深い愛情と責任感
詩織の自己犠牲は、 親が子供の過ちや苦しみを受け入れ、そして解放する力を持つ ことを象徴しています。

そう、この物語は “親子の絆” を描く物語でもあります。

まとめ

「あのコはだぁれ?」のエンディング、そこに描かれるのは、 過去の怨念やトラウマが現在に影響を及ぼす恐怖、 そして それを乗り越えるための自己犠牲や愛情の力 です。

さらに、前作 「ミンナのウタ」 とのつながりも深く、 高谷家にまつわる悲劇と、その解決へと至る道筋 が両作品を通して描かれています。

そして迎える 衝撃のラスト
多くの解釈の余地を残すこの結末が、物語の深みを増し、 鑑賞後も考察せずにはいられない 余韻を生み出します。

感想

おもしろかった部分、伏線回収

冒頭でいきなり恋人が車に轢かれるんですよね。
あまりにも唐突で、何も説明もなく退場。
運悪…と思いきや、吹っ飛ばされて自販機の近く倒れるのですが、そこでぐっと自販機の下に引っ張られてしまうんです。
これがただの事故じゃなくて、物語が進むにつれて「ああ、そういうことか」と後半になって理解できるんですよね。

実は、この恋人・悠馬が物語全体に大きく関わってくるんです。
最初は単なる悲劇的な出来事に見えるんですが、その後の展開でその意味が次第に明らかになっていきます。
さらに、悠馬が高谷家の絵を描いてるスケッチブックが見つかったり、「両親は誰なのか?」とか「家族はどうなっているのか?」という疑問が映画の後半で語られていくんです。
この部分がまた、映画のおもしろいところのひとつだなって思います。最初は何もわからないことが、少しずつ解き明かされていく感じがすごく引き込まれました。

さなちゃんは悪霊?

まず、悪霊ってほんとなんでもありですよね。タチが悪すぎる…。

今回の舞台は学校で、ここはさなちゃんが通っていた学校でもあります。
序盤からさなちゃんが堂々と現れるんですが、誰も気づかないんですよね。
まずは補習中に、鼻歌なんか歌いながら仕掛けてきます。

そのとき、一緒に補習を受けている女子生徒が「うるせぇ」と絡んできて、これで早速一人目が確定って感じですね。ちょっとしたやり取りが、恐怖の序章みたいなものです。

その後、先生が何気なく窓の外を見て、地面に倒れている生徒を見つけます。えっ?と思ってもう一度見ると、今度はその生徒が立ち上がってこちらを見ている。気味が悪い…。
そこへ向かって行くと、その生徒はもういないんですが、今度は頭上から物がバラバラと落ちてきます。
見上げると、さっきの女子生徒が屋上に立っていて、「わたしのウタを聞いて」と言って、突然飛び降りるんですよね。

さなちゃんに絡むと一瞬であの世行きです。

このあと次々と呪いのメロディーを聴いた者を呪っていくストーリーです。

ホラー要素は前作のほうがあった気がする

一度「ミンナのウタ」を観てしまったせいか、なんだか恐怖に対する耐性がついてしまった気がしますね。
ジャンプスクエアのような場面はないですし。めちゃめちゃこわい印象ではないです。

基本的にさなちゃんが見せられる幻覚が中心になっていて、そこから恐怖がうまく演出されています。
まあこれは前作も同様ですが。
その幻覚の中で、どんどん不気味なものが現れるたびに、恐怖がじわじわと迫ってきて、見ている方も自然と引き込まれてしまうホラー演出です。

さなちゃんとにかく幻覚を見せるのが得意。

怖かったのは母親の詩織

とにかく、あの表情が怖すぎるんですよね…。

あの顔でグッと近づかれると、もうドキッとしてしまいます。

前作でも、彼女が一番怖いと感じた場面があったんですが、今作でもその恐怖がさらに深まった感じがしますね。
あの演技力、ほんと素晴らしいです。

恐怖を感じさせるための細かい表情や動きが、見ているこちらを引き込んで、ゾクゾクさせてくれます。もう、目が離せません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました